今日はとある企画のリサーチで銀座にある蓄音機の専門店へ行っていろいろと話を聞いてました。トーマス・エジソンが蓄音機を発明してから今年でちょうど130年。この写真に写っている機種がずばりエジソン製の録音再生のできるシリンダー蓄音機です。
随分前にもここに書いたとおり最初の蓄音機のソフトは今のようなディスクではなく筒型(シリンダー)をしていました。録音する場合は針を録音用のものに変えて溝のない生シリンダーをセットし、回しながらラッパに向かって音を出すとダイレクトにカッティングして音を記録します。
ただ、さすがに生シリンダーなんてモノは手には入らないだろうからこれでそのまま録音なんてできないだろうと思いきや、ナント!マニア(コレクター)向けに生のワックスシリンダーを作っている所がイギリスにあるらしいのです!しかも今日行ったお店にも普通に在庫ありとのこと!!
さらにお願いしたらちょっとテストで録音してみせてくれました。これがまたみてるだけでも面白い。なんでもSP盤の時代になっても、録音をする事のできる機材は依然としてエジソンシリンダーしかなかったらしく(SP盤へのダイレクトカッティングは機材が大掛かりで手軽にはできなかった)テープレコーダーが開発されるまで、小規模な録音にはシリンダーがずっと使われていたらしい。
しかも直接カッティングしていくから一回失敗したらダメだろうと思ってましたが、もともとの材質が蝋なので溶剤(ジッポーオイルとかでいいらしい)を使ってふくと溝が溶けて消え再び録音できるとか。だいたい10回くらいは使い回せるらしい。ちゃんと考えられてる。エジソンシリンダーは当時世界中で大ヒットした商品らしんですが、さもありなん。感心しました。
当初エジソンも蓄音機でみんながソフトを買って音楽を聴くようになるとは思っていなかったらしく、議事録の録音とか口述筆記とかのためのものとして開発したらしい。だから持ち運んで録音するのに便利なように、ラッパを取り外してしてコンパクトに作られてたり、云々。。オモロイ話が出るわ出るわ。学研の大人の科学でも取り上げられてたネタでもありますが、久々に大人の社会科見学という感じでした。世の中まだまだ深いです。
Recent Comments