映画監督、甲斐田祐輔による新作「砂の影」。全編8mmで撮影された、古き良き時代の映画を彷彿とさせるフィルム作品。
甲斐田監督は、Double Famousの"バナナツリー"という曲のPVを撮ってもらったりもしているけど、ダブフェイとの繋がりは96年に出たコンピレーションアルバム"Sign off from Amadeus"のドキュメントを撮ってもらった頃から。どちらも8mmで撮影したものだった。Double Famousのイベント"Brilliant Colors"に来た事のある人は、僕らのライブ前にショートムービーが流れるのを見てると思うけど、その映像なんかを毎回撮影/編集してくれているのも彼。
そもそもは僕と彼が鹿児島の高校でいっしょにラグビー部に入ったことからの知り合いだから、かれこれもう20年来の付合いってことになる。高校生の頃の僕らは、毎日部活帰りに自転車に乗りながら映画や音楽の話しばっかりしてるちょっと変わったラグビー部員だった。自分たちでも文系体育会だなんて言ってた気がする。
その頃から大学を卒業するくらいまではお互い競うように名画座に通って映画漬けの日々だった。僕はそれだけでは足りずに下北沢のフィルムテークのようなマニアックなビデオ屋でバイトしてたくらいだった。
最近は忙しくて滅多に映画館で映画を観る事も出来なくなってたけど、新作が出来たというので久しぶりに映写室で観た。音楽体験に録音物とライブがあるように、暗闇の中でフィルムの影を観るというのは映画にとってのライブ体験なんだってことを思いだしたのだった。
特にこの作品はフィルムの質感と音の手触りが独特なので、できればモニターではなく映画館で観てもらいたいなと思う。そういえば、映画館で観た方がいいとほんとに思える映像作品も久しぶりかもしれない。コンボピアノによる音楽もいい。
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