随分前に”脳の不思議”みたいなテレビの特番で見た(なんの番組だったかは忘れた)、忘れる能力を持たないという超人アーティスト、スティーブン・ウィルシア。所謂アウトサイダー・アートということになるのかな。テレビで見た時は東京の風景をビルの屋上から一度見て、あとはそれを巨大なパノラマにひたすら描いて行くというパフォーマンス(?)をしてました。かなり大々的な番組だったので、見た人も多いかも知れません。
彼はサヴァン症候群という自閉症の一種で、忘れる能力がないというのは一度見たものを細部まで完全に憶えていて、絵として完璧にディティールを再現出来るという特殊な能力を持った人なのです。つまり機械(カメラ)のように映像を再現するっていうんだけど、そこは人がやってるだけに絶妙な味が出てて機械以上に細かいディティールが描かれていながら、超人間っぽい。
その時はそれだけでその能力に凄いとか面白いとか思ってただけだったんだけど、たまたま彼のウェブサイトを見つけて覗いてみたら、素朴な作風のアメ車を描いている作品がいっぱいあってちょっと感動。この車の絵たちも多分一度見ただけで描いているんだろうけど、なぜか古い車ばかり。
テレビではその特殊能力ばかりをクローズアップしてて、それがより分かりやすいように超ごちゃごちゃした都会の絵ばっかり紹介されてたけど、こういうシンプルなのも描くんだと思いました。やたら車が多いってのは彼が単に好きなんでしょうね。作品は基本的に風景か車ばかりなんだけど、モチーフに選んでる車の趣味のセンスがやたらといい。不思議です。ウチの車も彼に描いて欲しい。アメ車じゃないけど。
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