モレーノ、ドメニコ、カシンの3人にペドロ・サーとステファン・サンフアンの+2に加え、コーネリアスの小山田さんと嶺川貴子さん、前日に引き続きの高野寛さんの+3で行われたMDKライブ@UNITの2日目は、大入りの満員で大盛況のうちに終わりました。
なんだかんだで数日関わったりしているといろんな交流が出てくるもので、僕が彼らにダブフェイを聴いてもらおうかとおもって、カシンの奥さんのヒロミさんにCDを渡したところ、彼女は数年前に京都でダブフェイのライブ(アート・リンゼイと一緒にやった時)を見た事もあるし「ダブルフェイマスのことはよく知ってます」という嬉しい言葉が。
まあダブルフェイマスを知ってる奥さんというのも大分マニアックな方だと思いますが、そういう人を選ぶところもまたさもありなんという感じがします。彼らは酒も煙草も肉も食べないというブラジル人には非常に珍しいタイプで、ブラジルではだいぶ浮いてる(笑)という噂も。。。
そんなことを話しているとすぐカシンは「今日は楽器持ってないの?今日このままステージで一緒にやろうよ」とニコニコしながら言ってくる。「そんな急な(笑)持ってないよ」というと、「それは残念。今度来たときは絶対に一緒にやろう」と本当にブラジルと日本の距離なんてまったく感じないフランクな調子で終始ニコニコ。よく考えるとダブフェイと彼らは結構合うかも知れないなと思ったり。僕らも時々感心されるくらいゆるいですから、ユルさにおいてはいい勝負が出来ると思います。
アート・リンゼイに会ったときも気難しそうな印象と裏腹にもの凄くフランクな人で感動したんんですが、彼らもこれがカリオカ気質というものなのか、本当に垣根がない感じで話をしていて嬉しくなるような人柄でした。そういえばブラジルは混血が進みすぎていることもあって人種差別が世界で最もない国だということを聞いたことがありますが、彼らを見ていると実感としてわかるような気がしてきます。
ライブのほうはというと、前日よりはカシンがちゃんと前に出てて初日のようなハラハラ感は良い意味であまりなかった。カシンは実はメインボーカルでライブをするのは初めてとのことでかなり緊張してたらしいけど。演奏自体は相変わらずのキテレツさながらこなれてきた感じ。とはいっても相当にユルくて相変わらずのオルタナ感でまくりで最高でしたが。
彼らをのステージを見ててやっぱり面白いなと思ったのはステージの中心に誰もいない事。普通はメインでボーカルをとる人とか、リーダーとかがぱっと見て一番わかりやすいところにいるものですが、彼らの場合ゲスト用のキーボードが置いてあったりして一向にだれも真ん中に行こうとしない。
ステージング自体も3人がそれぞれボーカルをとったりする時は自分の持ち場で、ホイホイっと歌うって言う感じ。ドメニコはちょっと中心に行こうという感じもあるんだけど、モレーノとカシンはもう出来る事ならもっと後ろのほうに行きたいように見えるくらい控えめにしてる、、、と言った具合でこの3人のプロジェクトは3人ともに強力な才能の持ち主ながら中心が無いというのがすごい特徴になってるんだということがよくわかりました。実は単純にシャイなだけって話もありますが。。
彼らの編成には意識的にか無意識にか、あえて中心を求めないという感覚があるような気がします。強いてあるとすれば彼ら3人の真ん中にいるのは専制的なリーダーではなくて、彼らがリスペクトする音楽そのものが鎮座している、そんなことを考えさせられたライブでした。プロジェクト名が毎回変わるっていうのもおそらくあえて中心をずらそう、、一神教的に集約していく思考を脱臼させようとする試みだととれなくもない。
もちろんそこまで厳密に考えてはいないのかもしれないけど、それをセンスだけでやってしまうというのはやはりすごい才能なんだと思ったのでした。
その横滑りしていく独特の感性はサポートメンバーであるペドロ・サーなんかも共通してて、次のプロジェクトはペドロ+αになるかも、、、なんて話もあるようです。実際彼(ペドロ)のプレイは強烈で、プロジェクトの次回リーダーになってもまったくおかしくないと思いました。今回プレイ的には彼のプレイが一番の驚きだったりしたし。
そんなこんなでまだまだ目が離せない彼らは来年にはまたヨーロッパツアーなどもあるようなので、もしかしたらそのタイミングでまた日本でプレイが見られるかも!?知れません。今度はどんなビックリを持ってきてくれるのか、今から楽しみなのです。
上の写真は今回の招聘のきっかけとなったキーパーソン中原仁さんのブログからお借りした(勝手に、、すみません。。)もの。中原さんは僕らからすると相当に先輩でありながら、こういう音楽にもきちんとアンテナを張ってらっしゃるというのがすごい。正統派ブラジル音楽好きとかからは怒られかねないようなサウンドだけに。日本にもこういう大人が少なからずいるのでまだまだ面白くなるんではないかと、、思います。
坂口さん、本当にお疲れさまでした。私のヘタな写真を使っていただき、また身に余るお言葉をいただき、ありがとうございます。リンク貼らせていただきました。これからもよろしくお願いします。
Posted by: Jin | Friday, 30 June 2006 at 16:28
お疲れ様でした!
ほんと楽しかったー。
いい時間でした。
またお会いできるの楽しみにしてます。
Posted by: hiromi | Saturday, 01 July 2006 at 00:26