Ry Cooderの新作"CHAVEZ RAVINE"。前作"マンボ・シヌエンド"も聴いた瞬間その年の初登場一位だったけど、今回もはずしてないです。素晴らしい。凄すぎる。出てるのは知ってたんだけどまだ聴いてなかったのです。ここ最近ブエナヴィスタ以降ラテンづいてたライ先生ですが、ラテンといっても今度はチカーノ。Los Lobosのデヴィッド・イダルゴはじめチカーノの重要な人たち総動員。チカーノ版ブエナヴィスタだとHidemusic氏は言ってたけどまさにそんな感じ。
ライ先生は昔からアルバムにハワイのギャビー・パヒヌイを呼んだり、アリ・ファルカ・トゥーレとやったり、ハウイBを使ってみたり、プロデュースしたキューバのイブラヒム・フェレールのソロアルバムにどちらかと言えば現代音楽よりなトランぺッターであるジョン・ハッセルを起用したりとその人選が毎度冴えまくってますが、ここ最近の充実ぶりはほーんと凄いと思う。前作もマヌエル・ガルバンと連名だしね。ジョン・ハッセルは彼のアルバムをプロデュースしたりしてるし、サントラで共演したりしてるから仲がいいんだろうけど。今作にもしっかり参加してる。年をとればとるほどとんがってくる感じですね。
そしてなによりスゴイのがサウンドとミキシング。アナログ感のある暖かい音でありながらモダーンで奥行きがものすごくあって完璧。こういうレコーディング現場でのサウンド・プロデュース技はもう円熟の極みですね。いろんなギミックが特別あるわけではないんだけど、最適なアレンジに対して最適な録音方法と技術が使われてる。こりゃちょっとまねしようと思ってもなかなか出来ないでしょうねー。最近の諸作には必ず息子を参加させてるのもいいよね。レコーディングの現場での判断って経験が大切だから、演奏以上にこういう経験を積まなければわからない部分を教えようとしてるんじゃないかな。多分ライが亡くなっても伝統芸能的に息子のヨアキムが受け継いでいくでしょうね。オトナだ。。ため息。
そしてこのアルバムの面白さはそれだけじゃなく、そこで展開されているストーリーなんです。
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