ダブルフェイマスにとって特別なバンド、キャレキシコに会いに渋谷のクアトロに行ってきました。彼らに初めて会ったのは2001年だからもう6年も前になる。キャレキシコはZepp Tokyoでのイベントに出演した後、ダブルフェイマスとダブルヘッドライナーツアーとして、広島から東京まで数カ所を一緒に旅したのです。
ダブフェイは彼らとのツアーのオファーを受ける前から、キャレキシコの前身バンド”フレンズ・オブ・ディーン・マルティネス”の曲をカバーしてたからその存在は知っていた。でも当時はまだネットもないしどういう人となりの連中がやってるのかなんて全く分からなかった。だからそのツアーにしても、”ダブルヘッドライナー〜”、とわざわざ銘打つくらいまだキャレキシコの知名度もなかったこともあって、僕個人はわりと淡々と参加したのでした。なんかちょっとセンスが良くてオタクっぽいアメリカのバンドが来るのかな、、くらいの認識。
ところが、、広島のクアトロでの初日が終わってみると、僕はもう立派なキャレキシコ・ファンになっていたのでした。。その時のライブはそれくらい素晴らしかった。小手先のセンスのよさとかじゃなくて、ぜんぜん本気でやってて演奏力もあるしタフな演奏。ナメててすまんかった、、、みたいな。。
結局ふたを開けてみれば彼らのライブ中フロアで一番盛り上がってたのは僕らダブフェイで、それがステージからもわかるからその日の終演後の楽屋は全員ですごい盛り上がり。翌日の大阪では一緒にセッションしよう!ってことになって、リハーサルの時間に練習したりして。。。その後の2ステージでは毎回最後は全員で彼らの曲を何曲かやったのでした。
僕はサイレント・ポエツをやってた頃いろんな海外のアーティストのサポートとかやったけど、いつも『前座』って感じでほとんどメインのアーティストとコミュニケーションをとることもなかったので、やたら気さくに話しかけてくるキャレキシコはある意味衝撃的に「フツー」の人達、バンド仲間って感じだった。
彼らにしても初めてのアジアで、果たして自分たちがどれくらいウケるのかわからない不安がある中来日したとも思うし、そんなところでどの会場でも一番喜んで騒いでるのが一緒に旅をしてるバンドだとなると、「あ、いい奴らだな」って思うよね。。。という訳で、僕らは普通に友達になった。オフの日も渋谷とか原宿を案内してレコード屋に行ったり楽器屋に行ったりしたし、オフなのに何故か打ち上げ(?)みたいな感じで飲みに行ったり。
今回の来日はIron&Wineとのジョイントツアーで僕らはとくに絡みもなかったので普通に観に行っただけ。ライブは最近の曲から懐かしい曲までたっぷりやっていて、同じ曲でもアレンジが微妙に違ってたり前より見せ方が巧くなってたり、逆に良い意味でゆるくなってたりすごく楽しかった。キャレキシコに対して僕は批評なんてする言葉はない。奴らがプレイしてればいつも最高。
今回会えたのはライブ後にみんなで楽屋を訪ねて30分くらい。前は今のうちにいろいろ話さないと次はないかも、なんて思いながらだったから必死でいろいろコミュニケーションをとったりしてたけど、もうそんな感じでもなくなって来た。ベースのフォルカー(上の写真後列右から2人目)とかは日本にいてもドイツにいてもオンラインだったら普通にiChatで連絡してくれる。ちょうどこのブログを書いている今、「ドイツの家に帰り着いたよー」とiChatのメッセンジャーで連絡が来た。疲れたんでパスタでも食ってもう寝るとかいって。。
それにしても、僕なんて英語はそうとう苦手なほうなんだけど、キャレキシコ相手だとなんとかなる。会話に必要なのは、スキルよりもなんとか伝えたい、理解したい!っていう気持ちだってことですね。。。
ドラムのジョン(前列の右側)にはミーヤという名前の娘がいるんだけど、初めて会った時にその話になって、日本語で名前を書いてくれというから漢字で『美矢』と書いてあげた。そうしたら「漢字には意味があるんだろ?意味を教えてくれ」というので、『ビューティフル(美)なアロー(矢)』って意味だよと教えた。そうしたら超子煩悩な彼は「ええーー!!!ななな、、なんて美しい言葉なんだ。。僕の娘の名前に日本ではそんな意味があるなんて知らなかった、、ああそれが分かっただけで日本に来て良かった!」ともう泣かんばかりに喜んで、「いつか彼女を日本に連れてくるから、その時は二人目のゴッドファーザーとして会ってやってくれ」と感激しきり。ずいぶん大げさだな(笑)と思ったけど、彼はイタリア系だしやっぱりラテン系なんだなーって思ったり。彼には2年前ホールデンという名前の二人目の男の子が生まれて、今やミーヤは13歳。「すごく大きくなったけど、相変わらず彼女はグレイトだ」と今回会った時もそのことばっかり言っていた。
トランペットのジェイコブ(写真右端)とマーティン(写真左端)は最初の来日時随分ボロいトランペットを使ってた。マーティンなんてすごく安く買ったものだからどこのメーカーのか自分でも分からない、、、とかいって。でも今回はステージを見てて違うのを使ってるなと思ったので聞いてみると、最初の来日の時に一緒に行った楽器屋で試したヤマハのトランペットを気に入って、二人ともそれを使っているという。日本人の僕はアメリカの楽器を使ってて彼らは日本製。なんか不思議なコミュニケーションという気がしますが。。これは完全に言葉を超えている。
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