カサンドラ・ウィルソンやミシェル・ンデゲオチェロの作品への参加でも知られるNYのギタリスト、ブランドン・ロスの新作。ここ2日くらい朝から晩までこればっかり聴いてます。ジャズとかブルーズとかポップとかアンダーグラウンドとか、そういう線引きを考えることすらどうでも良くなるような素晴らしい作品。
ライ・クーダーの「パリ・テキサス」とかダニエル・ラノワの最近作、映画「21g」のサントラをやってたグスタフォ・サンタオラヤ、そしてカマ・アイナというようなギタリストが作る、最小限の音数で構成された映像的な作品に僕はめっぽう弱い。そしてこの作品には半分くらいの曲でロン・マイルスのコルネットがフィーチャーされてたりして、これがまたやたらとイイ。一応トランペット吹きである僕としては、どうしてもそこには引っかかってしまう。バンジョーとコルネットという組み合わせなんて最高です。
しかし、NYのアーティストによる作品なのに、彼のソロ作って今のところたぶん日本(NMNL/Intoxicate)からしか出てないんですよね。日本は今、ヨーロッパと比べてもかなり良質な音楽にアクセスしやすい国で、前衛的な音楽をとても評価する国だと思います(決してマスではないけれども)。だからアメリカのアーティストでも日本でしかリリースしてないという例は結構ある。
アートに新しいアイデアをもたらしているのは常にマイノリティ(別に人種という意味ではなく)で、彼らは自分が暮らしている社会からは必ずしもちゃんと受け入れられていなかったりするという。なんかちょっと歯がゆい感じがするけど、この構造ってどこの国でも同じかな。今も昔も。そう考えると自分の音楽を受け入れてくれる場所があれば、国なんか飛び越して活動出来る世の中になりつつあるというのはいい事でしょうね。
いいなぁ。買おう。
ジャームッシュか誰かのコメントで「世界で一番映画が見られるのは東京」と言っていたおぼろげな記憶がある。
映画が見ることができるのと、このアルバムの話は別だけど、どこかでいい具合にリンクしていればいいなと思った。
が、なんでこんなに良い環境なのに●●●や△△△が売れるのか。これはどっかでリンクが切れているんだろうかね。
ところで、最近読んだ音楽に関する非常にバカな話。出てくる人もそうだけど、書いている奴もそうとうアホです。
http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/col/suzuki/57/index.shtml
Posted by: いのうえ | Thursday, 21 December 2006 at 19:32
http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/col/suzuki/57/index.shtml
↑確かにこの人ぜんぜん分かってないね。。。世の中ナントカ2.0とか言ってる時代に。ビックリした。
この間書いたエジソンのシリンダーみたく、世の中の全てのコンテンツはデジタルデータでサーバー上ってことになるんだろうね。パソコンのハードディスクすらそのうちいらなくなる。NCなんていって10年くらい前からそういう話はあるけど。
既にグーグルが全世界の本をスキャンして検索可能にするって宣言して頑張ってるらしいし。随分前にチベットでもお坊さんが仏教の教典をデジタルデータ化するプロジェクトを進めてて現代の写経、なんて言われてたり。当然インフラとかがもっと整備されてくれば、映画もそうなるだろうしね。
そんな世界がもう完全に見えてるのに、、CDのケースを捨てるとかディスクを捨てたらどうだとかって、、。だいたいせっかく買ったんだから近くに聴きたい人がいたらあげりゃいいじゃん。ゴミにもならないし。そもそも失礼だよなー。作った人に対して。(怒)
Posted by: sstp | Thursday, 21 December 2006 at 19:58
>現代の写経!
Ozawaさんが聞いたら喜びそう。
>ゴミにもならないし。そもそも失礼だよなー。作った人に対して。(怒)
そう。どんなけ狭いところにすんどるねん!って感じです。これで家がカプセルホテルなみの広さで「立って半畳、寝て一畳ですよ」っていう人間なら納得だけどね。
Posted by: いのうえ | Friday, 22 December 2006 at 11:13