友人が本を作ったというの買って来ました。タイトルは写真の通りの「ぼくのしょうらいのゆめ」というもの。
僕のまわりにはレコードを出す人は沢山いるんですが、本を出す人はまったくゼロじゃないけど少ない。しかもけっこう近しい友人だからなんか不思議な感じもします。というかなんか訳もなく嬉しい。なぜかというと、、、僕は今でこそこうやって音楽の端っこにかかずらって生活してますけど、子どもの頃は物書きになりたいと思ってたからなんだと思います。
それこそこの本のテーマみたいな話ですが。しかも僕の物書きってのは漠然とながら小説家とかじゃなくて、コピーライターとかエッセイストみたいなのだったんですよね。中学に上がる頃ちょうど糸井重里とか全盛期だったので、ばっちりと影響されてたのでした。まったく忘れてたけどこの本を読んで思い出しました。今にしてみればこのブログを見ても分かる通り、専業物書きの道には進まなくて良かった。。。。
内容は僕が今書いたような感じで、内田裕也、高橋悠治、谷川俊太郎、吉本隆明、和田誠、などなどなどといった人が自分の子ども時代の夢について語るというもの。人選を見るだけでもうおもしろそうなんですが、インタビュー形式ではなくてその人の話し方のままに語られる口調をそのまま文章に落とし込んでいて、本当に目の前で話を聴いているみたい。とても丁寧で潔のよい仕事です。一緒に収録されてる資料もいい。僕も一気に読んでしまいました。ぜひご一読あれ。
凄いな、とおもったのは現代音楽家、高橋悠治さんの最後の言葉。
『〜音楽の道は楽なものではない。(中略)音楽学生は多いが、卒業して音楽活動ができるのは、ほんの少数。人とおなじことをやっていたら必要とされないだろう。創造性は自分で発見するよりないし、それがあったとしても、聴いて判断するのは他人だから、音楽はひとりではなりたたない。他との出会いは、ほとんど偶然の連鎖で、運としかいいようのないこともある。生活ができないから、ほとんどの人が教えているが、これは不幸を増殖するようなものだ。
音楽の夢は、人には勧められない。』
まぁ、、確かにそうだと僕でさえ思うけど。。だからこそ、そういう大変な状況の中で現れる瞬間の音楽に感動があるのだという気もするし。なかなか深い。しばし考え込んでしまいました。
写真もおんなじようなもんかもね。
カメラマンは世の中うんざりするくらいいるけど、写真家になれるひと(写真家で食べてる人)はすごく少ない。
私は、写真家になりたかったけど途中で自分の子供に出会ってしまって、休業中。きっといつまでも休業中。
カメラマンも子供と出会う前やってたけど、
カメラマンにはもどりたくはないかもな。
今の仕事でカメラマン(本当は写真家なんだけど食べれないからカメラマン)を目指す若者と関わっているけど、これも不幸を増殖させてるんだろうなあ。
Posted by: ぱっち | Thursday, 03 August 2006 at 19:26
まぁゲージツ活動一般に言える事なんでしょうけどね。
うちのオカンも僕が生まれた事でプロの絵描きになるのをやめたらしい。
それにしても、アートとはやはり理論とかスキルではなく、どのように生きるかという問題なんですねえ。
Posted by: sstp | Thursday, 03 August 2006 at 20:36
うわ。紹介ありがとうございます。一人一人、ネタ満載です。内田裕也さんはもう、誰も止められませんでした。最後の3行は彼が加筆しました。すごいよなあの文章。そうそう、おたくのバンドのドラマーは将来ああなるんじゃないかなと思った。なんか底辺似ていたなぁ。
Posted by: inoue | Saturday, 05 August 2006 at 01:30
これ書ききれない部分がいっぱいありそうだなーと思って読んでました。どの人も最後の部分がなんかすごいよね。
うちの暴れ太鼓は、、まぁダブフェイもロックバンドだから。。。ここまで来ると、あれでいいんじゃないかと。。。
Posted by: sstp | Saturday, 05 August 2006 at 21:21