ダブルフェイマスがこれまでに録音してきた音源の中で、現状CDで聴けない曲が2曲あります。一曲はキャレキシコの前身とも言えるバンドFriends of Dean Martinezのカバー曲。これはクラブキングからリリースされた、ウルトラマンの怪獣の写真集のサウンドトラックに入ってて、現在廃盤。
そしてもう一曲は、ブリストル出身の「サイケデリック・ファンキー・パンク・ジプシー・ソウル旅楽団」ムーンフラワーズのカバー曲「Whats going to happen」。これは現在下北沢にあるディスクショップ・ゼロの飯島氏が主催する、Angel's Eggというレーベルから7インチでリリースされたものです。原曲は1995年にムーンフラワーズが発表した"Colors and Sounds"というアルバムから。上の画像がそのジャケットですが、そういえば彼らの作品が発表された10年後僕らは"Brilliant Colors"というアルバムを発表。さりげなーくシンクロしてるような気がしてたんでした。Brilliant Colors and Sounds。
その"Colors and Sounds"が去年の12月にAngel's Eggから再発され、僕らが演奏したカバートラックもDisk2の方に収録されました。久々にオリジナルアルバムも自分たちのトラックも聴き直したんですが、ムーンフラワーズのすごさに改めて思い至ったのでした。今は80年代ニューウェーブ・ブームみたいな感じもあるけど、90年代にだってちゃんとやってたやつはやってたんだというのを思い出した感じです。
ダブルフェイマスも我ながらかなりマイペースなバンドだと思いますが、ムーンフラワーズのマイペースさもすごくて、メンバーの何人かは拠点だったブリストル(イギリスの地方都市)を離れノルマンディ(フランスの田舎です)で自給自足の生活をしているという....。田舎から海を越え国境も越えてもっと田舎へ。なんでそうなるのかはよくわからないけど、そこには青柳が尋ねていったことがあって当時彼から話は聞いたりしてました。その時の様子は当時雑誌のSwitchでも特集されたりしたのでおぼえている人もいるかもしれません。
結局ムーンフラワーズはバンドとして活動しなくなったので、ライブを生で見る事はできなかったんですが、メンバーだったジェシが”モーニング・スター”というソロ名義で来日した時、ダブフェイは共演させてもらったことがあります。ダブフェイの曲と彼の曲を一緒にリハーサル・スタジオに入ってアレンジしたんですよね。わざわざ僕らのホームグランドである神奈川のスタジオまで来てもらって。本当にオープンマインドな面白いやつだったし、一緒に演奏するのはすごく楽しかった。ニューウェーブ精神満載というかパンクな文学青年って感じ。
とにかく、同年代に活動してる海外のバンドで僕らも共演させてもらって直接影響を受けたバンドというのはアメリカのキャレキシコとイギリスのムーンフラワーズ。この2バンドをおいてはないと思います。キャレキシコは今もバリバリに活動してて今年またアルバムが出るようなことを聞いてますが、ムーンフラワーズはもう活動していないし彼らの功績を確かめるには旧作を聴くしかない。そんな折の10年ぶりのこの再発はすごい意味のあるものだと思います。
商業主義みたいなものに徹底的に対抗した彼ら故に、悲しいかな知らない人も多いというもったいないバンド、ムーンフラワーズ。ちょっとでも興味が持てそうだったらぜひ聴いてみてください。この再発版だったらオリジナル版とリミックス、リアレンジ版を聴き比べるという楽しさもあるし。知らずにいるのはホントにもったいない。そんな人達だと思います。
こんにちは。嬉しい文章ありがとうございます!
彼らにも訳して読ませてあげたいです。
Posted by: E-JIMA | Tuesday, 10 January 2006 at 07:20
こんにちは!彼らは元気にやってるんでしょうか。連絡をとるようなことがあればよろしくと伝えてください。ぼくらも相変わらずぼちぼちやってますと。また機会があったら一緒になんかできるといいですねー。
Posted by: sstp | Wednesday, 11 January 2006 at 01:45