UNITでやったVariations on a Silenceというイベントでクリスチャン・マークレーのライブを見ました。クリスチャン・マークレーという人はそれこそヒップホップという音楽が誕生するかしないか?くらいの頃('79)からターンテーブルを使ったアーティスティックな作品で知られた人で、ローリー・アンダーソンとかといっしょに昔よく聴いてました。そんなこともあってこのイベントは結構楽しみだったのですが、、
いざクリスチャン・マークレーのライブが始まってみると、伝説のターンテーブル、、ではなくアコーディオンを使ったライブでした。(上の写真はUNITのではなく平和島のほうでやってる展覧会からの写真)これは見に来ていた人たちもびっくりした人も多かったようで、しかも最初から最後まで1音しか弾かないと言う。。。アコーディオンの一番高い音のキーにテープをはって、後は蛇腹をふかふかさせつつその1音をエフェクターで延々とループするというもの。悪くはないんだけどもう一声欲しかったかなー。パフォーマンスとしてはこの日、刀根康尚さんもプリペアドCDを使ったライブをやっていてそちらのほうが面白かった。フロア内にぐるりと棒状のスピーカーをたててあちこちから縦横無尽にノイズが聴こえてくると言うもの。60年代には小杉武久とかと一緒にやってた人なので、もう70歳くらいなんだそうですがジョン・ケージやデヴィッド・チュードア、フルクサス、マース・カニングハム舞踏団など競演してきた人の名前だけでも超伝説。エレクトロニカの直系のおじいさんみたいな人ですね。
写真じゃなにやってるのか全く分かりませんが、ウィーンから来たアーティストHeckerと一緒にノイズ出しまくってる図。刀根さんはたくさんメカを操っててまだやってる感があるんだけど、HeckerはPowerBookをずーっと見てるだけ。こういうニカ系パフォーマンス(ラップトップだけでステージ上で勉強してるようなスタイル)もそろそろ古くなってきたような気もします。ぜんぜんなにやってんのか分からないから、面白みに欠けるかなー。せめてPCの画面でもプロジェクションしてくれたりすれば見てても楽しめるんだけど。。
SETENVの井上です。はじめまして。
刀根さんのパフォーマンスですが、今回はプリペアドCDによるものではなく、「Paramedia Mix」という91年の作品の日本初演でした(このことは、どこにもアナウンスできていなかったのですが)。ラジオやCDなど複数の音源からの音を音域によって7つのスピーカーに振り分ける装置を使用して、オートマティックな音のコラージュを作り出すというものです。
マークレーさんは、ターンテーブルを会場まで持ち込んではいたのですが、結局使用しませんでした。
御来場いただきありがとうございました。
Posted by: I.R. | Sunday, 22 May 2005 at 08:24