"アポロ11号-月面着陸に隠された真実"
アメリカで最も有名な都市伝説のひとつとして、アポロ計画による月面着陸は20世紀最大のウソだった、というものがある。この話はアポロ11号が始めて月面に着陸した時から既にささやかれていて、この都市伝説にヒントを得たであろう映画(ピーター・ハイアムズ監督”カプリコン1”'1977年制作)なんてものもある。冷戦時代であったこともあり、当時宇宙開発競争でソビエトに水をあけられていたアメリカが国の威信をかけてでっち上げた陰謀=大ウソだというのだ。このドキュメンタリー”THE TRUTH BEHIND THE MOON”はその陰謀論の支持者と反対者の意見を科学的に検証しようというもの。
ウソだと主張している人たちの最大の論拠となっているのは、当時の技術では人間を月に送り届けることなど到底不可能だということ。月着陸船に搭載されていたコンピュータは初代ファミコンよりも性能の劣るものだったとか、アポロ計画以降人間が月に行っていないのは、そもそも月に行く技術などまだないんだとか・・・云々。ウソであることの証拠としては、月面で撮影された映像は真空のはずなのに旗が風で揺れている、とか月面の写真の影の形がおかしいとか。。。。つまりあの世界中に生中継された映像はNASAがスタジオで撮影したものだ、というのが月面着陸ウソ論者の結論。
一連のアポロ計画は全て地球上で撮影されたもので、でっち上げだったというのは話としては面白いし、ファミコンで月に行けるのか?とも思うけれども、この話に関してはウソ派の主張にはちょっと眉つばな感じがする。なんかいちゃもんクサイというか。事故を起こしながら奇跡的に生還したアポロ13号(こちらも映画化されている)なんてのもあるし、だいたい失敗を演じることまでしてそんなウソつくだろうかと思う。まあどっちでもいい話なんだけど、どちらかというとこの伝説が現在もちゃんと生き続けているということの方が興味深い。
なぜだかはよく判らないけど、アメリカには陰謀論ってのがやたらと多いように思う。ケネディ暗殺に関するもの、真珠湾攻撃や911のテロに関するもの等々。権力みたいなものを嫌う人が多いのか?マイケル・ムーアもそうだけど、荒唐無稽ではあっても支持する人も結構いるし、比較的言わせたい放題にしてるところはちょっとエライかなとは思う。それなりに説得力のある論も多いし。プロパガンダに対抗するのも一つのプロパガンダだからもちろん良いことばかりじゃないけど。
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